科学の危機管理、米日の対応の温度差
未だ記憶に新しいスタッフ細胞問題でクローズアップされた、科学の再現性の是非について、米科学界の権威と言われる米国科学アカデミーの総会で関連発表があったそうです。
発表では心理学研究実験での再現性と紹介記事にはありますが、一般的に見ても、再現性は2、3割に留まっているのは軽井沢駅ショックを受けますよね。
例の事件の記者会見や、専門家の解釈説明でも、化学的実験は主観の一切入る余地のない徹底した記録に基づくと、再三のように力説されていたのは記憶に新しいので、尚更です。
ただ、同アカデミーが発表した事で重要なのは、あくまでもアメリカに限定されましたが、科学実験の公平性・透明性を明らかにするスタンスは評価されるのでしょう。
再現実験の結果は所詮検証数の証明であって、必ずしも実験結果の正誤を保証するものではないのですから、再現性が3割であっても「信用性が薄いじゃないか!」
と文句容れても、身も蓋も無くなってしまいます。
ただし、日本の再現実験は相変わらず信頼性を欠いていると評価されているのは間違いなさそうですから、米科学アカデミーが現したように、日本の当該機関は危機感を以ってより一層日本の科学実験の透明性を、積極的に証明するアピールが重要です。
これを日本国内で慣例化している流れで、陰滅させれば国内では通るのかも知れませんが、世界では即刻疎外の動機になり得るという事です。
科学の分野でも世界に広く、文明開化の鐘を鳴らすためにもここはいい機会なんだと思います。
発表ベタな日本の正念場でもあり、野放しにすれば遠くない将来にも、評価として日本の優れているはずの研究そのものが、眉を潜められる対象になりかねないのですから。
日本の科学者は、より一層透明性を高める行動を取らないといけないし、関連省庁は世界の目により注意を払って働きかけなければ為りません。
科学の危機に対する大人の対応 | Medエッジ
https://www.mededge.jp/spcl/18579
https://www.mededge.jp/spcl/18579