くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

名古屋空港展示機、戦争体験者の当惑と期待

 

  愛知県の産業振興の柱として「航空産業」発展の意識を高めるうえで、県営化された名古屋空港の観光活用が計画されていて、その一環で空港に航空機展示スペースを設けることは、以前にも紹介しました。
 ただ、その展示品に当惑の声が上がっているそうです。

 

 

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型式は、判る人には判るそうなので敢えて解像度の低い画像で、

 

 

 先頃名古屋に寄贈されたボーイング787なんかは、地元雇用に寄与するとして展示品に加わるんでしょうか? それはさておき、

 予定されている展示物で目玉としては、以前から記事でも取り上げているMRJや、ゆかりのあるYS11、そして戦中に投入された伝説の戦闘機「零戦」だそうです。


 「零戦」は、設計者が主人公の宮崎駿アニメや、零戦の永遠の思いを綴った映画
がヒットしたりで、若い層にも一定の評価を受けているこの戦闘機を展示する計画は、戦争を体験された年齢層には、戦争の記憶を美化するのでは? との懸念から、危惧される向きもあるようです。

 いくら地域にゆかりがあるとは言え、戦争に実戦投入された「兵器」を展示することが是か非かは、事あるごとに幾度となく議論されてきました。 

 その零戦をどう受け取るかは賛否両論ありますので、ここではとやかく申し上げませんが、展示物としては筆者は、一級品で有る以上展示には賛成します。

 戦争の記憶は、可能な限り「現物」を見てこそ伝わるものがあります。まずは見てもらって、今を生きる人達が感じることそのものが重要であって、結果として評価され未来まで引き継がれるのか、価値のないものと素通りされてしまうのか? 委ねるべきでしょう。

 大切なのは、その「本物を」見ることが出来る、戦争への正しい知識や、事実を知ろうとする好奇心です。


 情報を選択できることがいかに重要で貴重な事か。
戦時中は情報操作によって、国民は正しい選択の機会を得ることが出来ませんでした。

 もし、将来日本が同じような状況下に置かれることが有ったとして、それ以前に持ちうる情報が正確でなかったら、きっと古びた展示物は、そこに存在する意味を持っていなかった事になるんでしょうね。

 

 そうならない為にも、今を生きる私たちは冷静に、でも確かな意志をもって今しか聞けない、引き継ぐべき記憶をその遺物から学び取る智恵を持たなくてはならないと思っています。

 

 

零戦の展示計画、戦争体験者ら思い複雑 名古屋空港

http://www.asahi.com/articles/ASH6634FBH66OIPE002.html

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