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《トヨタ自動車》 王者にして切磋琢磨を忘れず。製造現場を支える“人の技” 溶接を一部手作業に 。

 トヨタ自動車が、自動車業界のトップをけん引しだして久しいですが、トップたる所以は王者に甘んじることなく常に鍛え上げている姿勢にあります。
 
 

トヨタ製造現場を支える“人の技” 「技術の進化止まる」溶接を一部手作業に - SankeiBiz(2015/04/09)サンケイビズ

トヨタ製造現場を支える“人の技” 「技術の進化止まる」溶接を一部手作業に
SANKEI DIGITAL INC. ニュースカテゴリ:企業自動車2015.4.9
 高技能者育成の場として位置付けられる燃料電池車「ミライ」の製造ライン(ブルームバーグ)  トヨタ自動車が「ものづくり」の鍵を握る職人技の伝承に力を入れている。工場での製造作業に従事する技能職の採用を増やし、ベテランによる若手の育成も強化する。熟練技能職の大量退職が続く中、技術の伝承を途切れさせない狙いがある。日本最大の製造業であるトヨタの取り組みは、産業界に影響を与えそうだ。
 愛知県田原市トヨタ田原工場。ロボットの先端についた棒状の加工部が鉄板をしごき、くぼみを作っていく。加工具合に合わせて角度や力加減を微妙に変化させるロボットの動きは、「匠」と呼ばれる熟練技能者の動きをデジタル解析し、プログラミングすることで実現した。
 「(人の)技能は(機械などの)技術を進化させる重要な部分。そのためにも人の技能をどんどん高めなければならない」とトヨタ幹部は言い切る。
 匠の技を伝承したロボットが作り上げたパーツは、高級車ブランド「レクサス」のスポーツクーペ「RCF」に搭載されている。自動化が進む現在も「人の技」が製造現場を支えることに変わりはない。
 トヨタは2015年度、技能職の採用を期間従業員の正社員登用も含め14年度実績の804人から1300人に増やす計画だ。上田達郎常務役員(労務担当)は、15年度の採用計画について「(職場の最小単位である)組に4年に1度くらい新入社員が入っていたが、2年に1人は新入社員が入るようにする」と説明する。
 トヨタは、14年度だけでも約1000人の技能職が定年退職した。後継となる技能者の育成は待ったなしの状況で、採用の増加により人材育成のサイクルを早める狙いがある。こうした動きはグループ各社も同様で、豊田自動織機は15年度の技能職採用を前年度より38人増やし、デンソーも17人増やす計画だ。
 製造現場では機械による自動化が進むが、トヨタは11年から溶接作業の一部をあえて手作業に置き換えた。作業にかかる時間は増えるが、工程を把握することで機械に不具合が生じた際に原因を分析することができるようになる。海外に製造拠点を設ける際にも、「マザー工場」として国内技能の熟練は欠かすことができない。
 昨年12月に発売した燃料電池車「MIRAI(ミライ)」の製造ラインを高技能者育成の場と位置付け、レクサスのスポーツカー製造などに携わったベテランと若手が一緒に作業に当たっている。
 こうした一連の技能者育成や製造現場の効率化に取り組んできた河合満氏が4月、技能職出身として初の専務役員に就任した。河合氏は「全てが機械化され、技能者がいなくなれば技術の進化も止まるだろう」と強調する。
 独立行政法人労働政策研究・研修機構」が12年に製造業を対象に実施した調査で、回答企業の約4割が技能伝承が「うまくいっていない」と回答した。技能者の育成はトヨタに限った問題ではない。高品質の日本製品を支えてきた製造現場の力を守り伝えることが、企業の競争力そのものを左右するといえそうだ。(松岡朋枝)