くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

Win-Win、客も農家も笑顔にする地産地消の実践。

 地域活性化の取り組みで最近では、いくら市民がボランティアで町おこしを行っても、経済的に潤わない限り再生は難しいことが分かってきています。
 中央政府に依存しない体質改善を商用ベースで実施している自治体や半官企業も実施例が出ており、下記番組で紹介された地産地消の取り組みを紹介します。

日経スペシャル、カンブリア宮殿より。
愛媛県 今治市 さいさいきて屋
ネットショップ

saisaikiteya.com

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 うどんの売店、スイーツも……”巨大すぎる”直売所、農協直営の直売所
 (まとめ:筆者)

 農協(JA)の直売所が活気づいているシーンを紹介し、大きさ値段色々、今では敷地面積188平米を誇る。 

 その人気の秘密には、安い新鮮、肉、野菜魚、加工品地元産を売りに、(海産物や農産物直販や柑橘王国の地の利を生かした加工食品)を武器に売り上げを伸ばす、リピーターも多く一泊しても来る客や、指名買い、まとめ買いの客も多いという。

 一次加工品、二次加工品直販だけで無く、食堂やスイーツにも手を抜かない姿勢は、固定ファンも増えて行列ができることも珍しくない。

 現地産の食材を生かしたバリエーション豊かなメニューの食堂、カフェsaisaicafeでは季節フルーツをふんだんに使ったスイーツが人気を博す。店を覗けばその先に、大きなイチゴぎっちぎち(4月)、ホールで3500円する季節のフルーツ主役のタルトが、指名買いで飛ぶように売れていく、凄すぎる。
 圧倒的な集客力は年間120万人、76億円売上が裏付けている。


 こういった華々しい姿は、一朝一夕で成しえたことではない、今でもその裏では工夫と合理化を怠っていない。
 即売上では、朝6時半農家の直搬入にわれ先に列が、売る場は決まって居るが位置は早いもの勝ちだからだ、条件のいい場所から埋まって、地元農家自慢の野菜などが並べられていく、いわゆる売り場提供型だ。

 ただ売り場を提供してマージンを取るだけではない、集まる農家は個人農家から小規模兼業が主で、JAなのに敢えて品質の不揃いなのを承知で受け入れ、尚且つ、売れ残りは積極的に売値で買い取っているという。

 また、朝採れ野菜を自分で値決め、初心者も売り安い環境で、品質の良し悪しも店側の専門スタッフが丁寧にアドバイスし、品質チェックも行う。
 開店前午前8時、陳列終わった後商品チェック、虫食い訳あり明記のアドバイス。
B品の認識仕分けを指導や、敢えて店先にガラス張りの抜き打ち検査上を公開して、逆に信用を勝ち取る。

 この仕組みを作ったのが、さいさいグループ、代表 西坂文秀氏である。

 先の様な農協の仕組みと同様に、一定の条件をクリアしないと農協へだせない壁を亡くして出品しやすくした。これは農家地域の高齢化、過疎化で安定した品質の農産物でJAと取引できる農家が激減しているからだ。
 JAおいちばりでは、農業の継ぎ手が居ない>大きさの揃えらえる農家の減少
>小規模農家の受け皿の直売所として100平米規模からスタートし、10年。

 例:イチゴ1パックからでも、ある程度の重さ大きさ不揃いでも扱い、虫食いでも規格外として売れる仕組みを確立している。

 

 農家が島などに分散する地理的にも決して有利な点はないが、条件の悪い農家、島農家繋ぐため、島出身者をの通勤時間を使って、出勤前に集配所によって島の農家の集配係りを務めている、集配量は1回100円と少額なため、島農家に重宝がられているようだ。(これが500円だと厳しいという>1300人の出品者を束ねている)

 野菜をだすのは、未経験者やリタイヤの新米農家も珍しくない。

 毎日午後3時、収穫時にメールが届く、これも楽しみ?だそうだ。そう、売上げ速報である、店のPOS連動直結のリアルタイム情報を送れる仕組みがある。

 JAは既得権益のイメージが強いが、関連事業が注目されがちでそう見えるが、最近は地域農協が様々な工夫で自前の売り上げを伸ばすところが増え、注目される。

 西坂氏は、本来の農家を支援する在るべきJAを見つめなおした(月収20万以下の専業が半数の現実)


 この通帳が一生の宝物、おばあちゃんが造った野菜がお金になったと感動され、今もその初心を忘れないと言う。

 

 農家の立場で売り場造り>売れ残りがっかり>売上げアップだけででなく、売れ残りを減らす工夫を重視>できるだけ売値で買い取って>野菜等は新鮮乾燥パウダー保存>カフェのケーキ材料に利用。
 また販路拡大惣菜を残り物で大量調理、食堂や売店で二次加工品販売に充てる。

 面白いのは、地元幼稚園と提携し週に2回給食を供給、地元食材豊富な大人顔負けの料理を子供たちに食べて貰う活動を実施>意外ににも子供らに好評で、地域食育にも貢献している点。

  大量に作られた惣菜の行き先は幼稚園の給食、ビュッフェ形式、子供も字に書いて覚えるなど教育効果も。自分で箸を器用にもって選ぶ姿。好き嫌いを減らす工夫が評価され、さいさいと結び付いたという。

 さいさいの野菜がおいしい小さなファン>母親がさいさいで野菜買うという好循環。
食べる前から大人が選ばなくても子供は食べる、おかわりおかわりと微笑ましい。
 子供達は思うより味覚に敏感、おいしいものはおいしいと素直だった。

 

 こういった取り組みが、今漸く地域と農家と地場産業を結んで、というか大企業を誘致というセオリーを破って、原材料を地元が使って、地元さいさいが買い取って売っり、利益でまた地元の食材を買うという地産地消の好循環を生み出した。

 それだけでは無い、さいさいは高齢化社会の問題も同時に解決をしていた。
午後一時、加工食材を集め昨年春から宅配サービス(契約客のみ)島へ帰宅時に契約客宅に寄って、商品配送する合理化も忘れない。
 注文は無料配布タブレットでいつでも、買い物、お手紙、ご相談欄などペンで選ぶだけ。高齢化の買い物難民へも配慮が行き届く。

 また、20代の若者の起業新米農家へ、専属の営農指導員が巡回で技術支援も忘れない。客繋がりで、レストランからの高級食材リクエストがあれば、高く売れる希少野菜の作付指導の橋渡しも買って出ている、こうして少量でも利益の取れる食材で若者の定着を図っている。

 西坂氏は言う、一世代とびこし、おばあちゃんは700万なら若者でも、と思わせる魅力さ、これなら農業離れ著しい若者も、と期待する。

 この事業は救世主となるのか?との問いに『わかりません』と慎重な答え。
ただ、少なくとも『若い間兼業者』『退職後第2の人生』には貢献していると答える。
そして、地道でも、減少する農業人口を食い止めることはできるのでは?と謙虚に語る同氏。

 今後の取り組みでは、地元名産の今治タオルの原料(輸入もの綿花)を国産綿花の生産に資産を投入、純今治産をめざすと言う。
 その中で、高校生の授業体験を積極的に取り入れ、地場産業を根付かせるきっかけになるよう工夫も。ただし、これはこの地独自の方法であって、他の地域で(全く)同じモデルは通用しないと言い切るが、個々の取り組みは大いに参考にはなる。


 気候も風土も特徴も違う。大事なのは、生産する喜びが働く人のどこにあるか、考え抜くのが大事と熱く訴える。

 

 最後に、西坂氏は地元の循環でみんなが笑顔になれる、地場産業モデルを実践し、見事にそれを証明した、と番組は評価した。(文:筆者)

さいさいきて屋
http://www.ja-ochiima.or.jp/saisai/

日経スペシャル、カンブリア宮殿の特集ページ

www.tv-tokyo.co.jp