くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

NHKのエンタメ力あなどり難し

NHKエデュケーションが牙を剥く

 今回は、久々の非地域ネタでまくります。

 元々去年あたりからすでに放映が始まっていたようで、ググると2015年からの記事がある深夜番組を最近知ってハマっている。

 別のをググると元々は、BSプレミアムの特番だったような情報もあるが、筆者は某動画サイトでその存在を知った。

 そのかつての教育テレビで育った世代中年世代にも全く違和感無いビジュアルと、NHK特集やかつてのクロ現のドキュメンタリーさながらのエグい内容のギャップは、久々のスマッシュヒット級のインパクトがあって、目が離せない。

 ここまで言うと言いすぎかもしれないけども、同じ感触を抱いた方も少なく無いのではないかと勘ぐりたくなるほどのインパクトにわくわくして、レギュラー化第一弾の初回から見た。

 

 内容構成は、かつての民放だけに赦された、放送コードギリギリのトークを、モザイクを使うのでは無く人形劇に使う操り人形に演じさせているのはなんとEテレ

 7月1日に放送されたEテレ『ねほりんはほりん』からの一コマだ。

 

顔出しNGの人形劇トーク

『ねほりんはほりん』は、毎回表向きには決して映像化され無いアンダーグラウンドな裏w話をテーマとして、そのテーマの中心に現存するゲストを顔出しNGを条件に招き、南海キャンディーズ山里亮太とYOUが赤裸々な話を聞き出すトーク番組。

 しかし、ここでこの番組が秀逸なのは、番組には人間の姿が全くないが登場人物は全て2頭身のかわいい操り人形になって登場すると言う演出。

 ホストを務める山里亮太氏とYOU氏は、モグラのキャラ”ねほりん”と”はほりん”として、ゲストはブタキャラとしてカメラの前に現れるのである。

 ゲストの顔はブタなのだが、アクセサリーや服装はゲストのそれに合わせて再現されていて、その再現性の緻密さと人形の演技力には、かつての教育テレビで培った人形檄の演出ノウハウが余すところなく活かされている。

 事前に収録したトークを基に人形劇を演じるので、声と動作のマッチングは言うまでもなく、ゲストがインタビュー時にしたであろう独特の仕草までも、細かく演出に加えてブタ人形が本人ではないかと錯覚するほどの濃い演技とカメラワークは特筆モノ。

見た目かわいいモグラとブタなのに話はとても生々しい。その違和感がいい意味でギャップを生んで、Eテレの人形劇を見ているはずなのに、パラレルワールドに放り込まれた気分になる。

 

「全員顔を出さない」という選択

 テレビ番組で顔出しNGの人物とトークをする場合、かつてんぼ民放が取ったのは、モザイクや黒帯を挟んだり、すりガラス越しにする・後ろから撮る・仮面をかぶせるなど様々なアプローチがあった。よしんば品行方正を貫いてきた国営放送局せしかも子ども教育を一手に担ってきたNHKなら、顔出しNGで声だけ出演でくまさんのお決まりプラカードを映しても、それなりにnよくやった感は十分なはずだ。

 でもガッツを無くしたスポンサーの犬となり下がった民放に、NHKが渡した引導は、新しい人間像をえぐり出すトーク番組だった。

 この斬新な演出で、聞き手は顔を出しても構わないので、自然と絵面は「普通の人と異形の者が話している」という風になりがち。

 従来の方法だと、顔は隠されているはいるけど少しは姿が見えるので、話し手に抵抗感が生まれることもあるが、ホストまでも人形として出演させる事でその懸念を完全払拭し、見る側はホンモノから受ける主観的な先入観を感じることなく(例:イケメン=美化)すべて関連性のない、掘る側と掘られる側と言う単純な構図として見られ、テーマに集中出来るのである。

 加えて、ゲストやホストの細かいクセや仕草は、キッチリ人形劇のプロが真剣に演じきるのである。

 これは現代のハリウッド映画製作でCG作品の演技をリアルにするのに、惜しげもなく有名俳優を演技だけ雇うのと、とても似ている。

 しかも最近下火の人形劇業界の下支えにもなりうる、あっぱれなウルトラC級の方法である。

 


今やEテレ流暴露トークは、衝撃のゲスさ

 『ねほりんはほりん』は敢えてゲストもホストも、全員顔出しNGと言う逆転の発想で勝負している。

 これは内容が生々しいだけに、その鮮度を100パー活かすの殺すもリアリティだけだが、顔出しNGで大丈夫なのか、この手の好き者視聴者は、声だけでは信用するはずが無い。
 トーク部分は紛れもなくモノホン現役者の音声だけの収録。声は変変換するからプライバシーは最大限守られる。話し手も聞き手も同じレベルの姿であり、絵面に統一感が出る。そしてこの番組のミソは顔出しNGの人物でも「人形」で容姿や動作を再現することだ。

 今現役でバリバリ働く現役職業従事者や、主婦の殆どは、NHKの教育で放映された人形劇を見て育った人たちである、もちろん筆者ももれなくそうであるが、こんなことができるのはNHKしかありない。

 

ここがNHKでしか出来ない真骨頂

 確かに民放でもピンポンパンやポンキッキ(ーズ)などの殿堂入りしすべき番組はあるが、保育園時代から小中高と、一貫して網羅した子供向け人形劇を排出してきたNHKの圧倒差には勝てない。
 同局の人形劇は、テレビ放送開始の3週間後(1953年)60年以上前からであるから恐れ入る。

 その長年の人形劇ノウハウは、ゲストの見た目だけでなく、リアクションや仕草の再現性にも手を抜かないようで、人形は表情は一定でも能面の演技の如く、喜怒哀楽を繊細な人形操作だけで感情豊かな代役(アバター)を演じ切るのである。

 上でも書いたが、アバターが代演するので、人のエグい内面とクセであろう仕草だけを見ることで、視聴者は本筋を堪能出来るのであるし、より本音を引き出しやすくなって、見ている方は普段の抑圧から開放され、没入感と共感で満たされつつ、いつの間にかその演劇に見せかけたリアリティに目を細めるのである。

 「人のウワサやヒミツは蜜の味」

 と言うが、そのヒミツをコッソリ見れるのは、まさに深夜番組の王道の最右翼だろう、国営放送もマーケティングが上手くなったものだ、と感心しきりだ。

 

 もしかしたら今でもご覧いただけない地域もあるかもしれないが、機会があったらご覧いただきたい。たとえ「けしからん!!」と言うことになっても筆者は責任は持てないので、あくまで自己責任でご覧いただきたい。